気密と換気の関係性を理解しておこう
注文住宅を作るうえで、間取りや各部屋のデザイン、使用する素材など、さまざまな重要ポイントがあります。そのなかのひとつとして、気密と換気も忘れてはいけません。そこで今回は、気密と換気の具体的な意味をはじめ、2つの重要性や関係性を詳しく解説します。また、奈良県生駒市と奈良市に家を建てる際に役立つ、ZEHやHEAT20の基準、気候などのローカル情報もご紹介します。
01 The specific meaning of airtightness and ventilation
気密と換気の具体的な意味
まずは、気密と換気の具体的な意味をチェックしておきましょう。
気密とは
気密とは、住宅の隙間をできるだけなくし、密閉性を高めることをいいます。建材の接合部分の隙間を気密シート、気密テープなどで施工し、構造的に気密を高める方法が代表的。他にも、窓のサッシやガラス、引き違いなどの窓の種類によっても気密性が左右されます。
換気とは
換気とは、住宅内の空気を循環させることをいいます。換気扇の設置や窓を開けるなどして換気するのが一般的です。また、24時間換気システムと呼ばれる、換気設備もあります。
02 The importance of airtightness and ventilation
気密と換気の重要性
気密と換気は家づくりにおいて軽視できないポイントです。どのように重要なのかをチェックしていきましょう。
気密の重要性
気密性が低いと、隙間が多いということになります。隙間があれば、外気が室内に入りやすくなるため、冬は寒く夏は暑くなってしまいます。さらに、冷暖房の効きが悪くなることも。高気密にすることで、外気の侵入が防げるため、快適な温度をキープしやすくなるのです。住宅の気密性をチェックするには、気密性能C値を活用するのが一般的です。この気密性能C値の数字が低いほど気密性に優れていることになります。気密性を謳っているハウスメーカーを参考にすると、気密性能C値は1.0㎠/㎡以下であることを基準にすると良いでしょう。注文住宅を検討する際には、気密測定を実施して気密性能C値をチェックしてみてください。
換気の重要性
住宅の換気は、きれいな空気を確保するために欠かせません。換気を行うことで、人間が呼吸をして吐き出した二酸化炭素やほこり、悪臭などを逃がして、快適な空間を維持します。他にも、PM2.5や花粉などの有害物質を室内から排出する働きも担っているのです。換気によって常にきれいな空気をとりこむことで、アレルギーや喘息といった体の不調を予防できるでしょう。また、換気によって水蒸気も一緒に排出され、結露やカビの発生を防ぐ効果も期待できます。
03 Relationship between airtightness and ventilation
気密と換気の関係性
換気は、風速や温度差などに左右されず、常に適切な量の空気を循環させ続ける必要があります。しかし、気密性が低い場合、隙間風や外気の影響で、空気の量や温度のバランスが崩れやすくなり、上手く換気ができません。つまり、気密性が高いことで、安定した換気が行えるのです。
04 Climate and ZEH/HEAT20 standards in Ikoma city & Nara city
生駒市・奈良市の気候とZEH・HEAT20の基準
注文住宅づくりに欠かせない気密と換気。ここでは、奈良県生駒市と奈良市の気候と一緒に、ZEH とHEAT20の基準をチェックしていきましょう。ZEH とHEAT20の詳しい意味を解説するので、奈良市や生駒市で注文住宅を検討している方は参考にしてみてください
生駒市と奈良市の気候
生駒市と奈良市は隣接した地域であることから、よく似た気候です。この2つの地域は、奈良盆地があることから、冬は寒さが厳しく、夏は蒸し暑くなることが多い傾向。年間の平均気温を見てみると15度前後と穏やかな印象ですが、冬と夏の寒暖差が大きい点が特徴です。そのため、家の中の温度を一定に保てるように気密性を高め、ZEHやHEAT20を参考に断熱性も高めましょう。日照時間は、冬場には少ないですが、春や夏などの季節では晴れやすいため、トータル的にみると平均的な数値となっています。また、雨量は、年間1,000~1,500㎜と少なめです。
ZEH とは?
「ZEH(ゼッチ)」とは、「(net Zero Energy House (ネット ゼロエネルギー ハウス) 」を略した名称です。住宅の断熱性を高めて、省エネ基準から20%以上のエネルギー消費量を削減すると同時に、太陽エネルギーなどの再生可能エネルギーを導入する必要があります。その結果、1年に必要な1次消費エネルギーの収支をゼロ以下にすることを指す言葉です。この基準を満たすことで、自治体によっては、補助金が出る場合もあります。生駒市や奈良市を含む奈良県でも、ZEH住宅に対して上限20万円で国の補助金と併用可能な補助金があるため、上手く活用しましょう。
HEAT20とは?
「HEAT20」とは「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」の略称です。2009年に、研究者と、住宅・建材生産者団体の有志が集まり発足され、地球温暖化とエネルギー問題、健康と快適な暮らしができる住まいを考える団体。国が推奨する省エネ基準よりもさらに厳しい基準を設け、より快適で地球にやさしい住まいづくりを目指しています。
HEAT20では、断熱性について、「G1」「G2」「G3」の3つの基準を設けており、数字が大きいほどグレードが高くなるよう設定されています。
生駒市と奈良市のUA値基準をチェック
ZEHやHEAT20の基準のひとつに、外皮平均熱還流率である「UA値」があります。UA値は、日本各地の異なる気候を参考に区分された8つの地域によってそれぞれ設定されており、生駒市は5地域、奈良市は6地域に分類。5地域の生駒市ではZEH基準で0.6、HEAT20のG1グレードで0.48、G2グレードで0.34、G3グレードで0.23です。6地域の奈良市ではZEH基準で0.6、HEAT20のG1グレードで0.56、G2グレードで0.46、G3グレードで0.26となっています。
05 Let's build an environmentally friendly and comfortable house
生駒市、奈良市で環境にやさしく快適な注文住宅を作ろう
注文住宅で快適な生活を目指すには、デザイン性や間取りなども大切ですが、気密と換気の設備を整えることが重要ポイントです。どちらもバランスよく取り入れることを意識しましょう。また、ZEHやHEAT20の基準を参考にするのもひとつの方法です。「VITA(ヴィータ)」では、UA値はHEAT20のG2グレード、C値は0.4以下を標準値としており、気密性、断熱性ともに優れた快適な家づくりが実現できます。施工力、デザイン力にもこだわり、手の届く価格帯で理想的な家づくりをサポート。気密と換気の関係性をしっかり把握して、満足のいくマイホームを手に入れましょう。
【編集チーム】
1級建築士...1名・2級建築士...2名 / 木造建築士...1名 / 宅地建物取引士...5名 / 賃貸不動産経営管理士...2名 / FP1級...1名・FP2級...2名・FP3級...5名 / 行政書士...1名 / AFP...1名
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